サプライズの技術 ~小さな感動が大きなリターンとなる瞬間
あるダイニングバーの女性用お手洗いにて。
おしぼり、油取り紙、デンタルフロス、綿棒。
歯磨きセット、紙コップ。
このサービスを最初にはじめたのは、 「個人商店(自己完結)主義」を経営戦略とし、そしてそれこそが商いの原点、商売の法則であると提唱する、宇都宮俊晴社長(ご著書
)率いるUG UTSUNOMIYA corporation(株式会社 UG・宇都宮)グループの飲食店だったと記憶しています。
UG UTSUNOMIYA corporationは、「ブッツトリック・バー」「キリストンカフェ」「エレファントカフェ」など、強烈なインパクト&話題性の高い、エンターテインメントレストランを多数経営されています。
いま現在、大型直営店舗を名古屋・大阪・神戸・東京・福岡に18店舗。小型店舗を全国に86店舗展開されているそうです。
先日行き損ねてしまった^^;「恋のしずく」もそのひとつですね。
同グループの飲食店に追随するかたちで、エンターテインメントレストランが次々とオープンしました。(ただし、撤退も早いのですが)
※ほかのエンターテインメントレストランの一例
監獄居酒屋「ザ・ロックアップ」ほか・・・セラヴィリゾート株式会社経営。
※「ザ・ロックアップ」2000年に初出店。「ブッツトリック・バー」は1998年に初出店。
こういったエンターテインメントレストランは、お店のコンセプト・存在そのものが、客にとっては「サプライズ」であると思います。
だから、話題性も高いし、「なんかおもしろそうだな、行ってみよう」という初回客をつかむのは、比較的容易と言ってもいいでしょう。
が、大切なのは、その先。
その一度きた客が、リピーターとなってくれるかどうか。
そのためには、お店のコンセプトであるエンターテインメント性というサプライズだけでは不足、とわたしは考えます。
必要なのは、サービスの中身と質、そしてそれらに裏打ちされた小さなサプライズです。
料理の味はもちろんのことですが(もちろんのことだけれど、ここがだめなエンターテイメントレストランを何店も見かけたので)、従業員の接客態度(これもあたりまえだけど、できていないところ多し)、そして「思いがけないところへの小さな配慮」が大事。
それらに欠けるお店は、良質なリピーターをつかむことは難しいでしょう。
たとえば、個人的な感想で恐縮なのですが、「ザ・ロックアップ」は話題のお店ということで、できたばかりのころ、一度行ってみたことがあります。
が、その料理の味に閉口してしまい、二度と足を運ぶことはありませんでした。
ここで、冒頭のケータイ写真で載せた、女性用お手洗いに置かれたグッズに話を戻します。
これには、わたしは素直に感動を覚えました。
油取り紙、綿棒は、女性のメイク直しに役立ちます。
食事中、口元が気になってきた女性にはうれしいであろう、歯磨きセット、デンタルフロス。
デートをしていて、予想外にいい雰囲気になって、「キスかも……」ってシチュエーションはよくあること。
でも、そんなとき、接近されたときにメイク崩れが気になったり、飲み食いしたあとの口臭が気になったりしてしまう女性も、すくなからずいるのではないでしょうか?
そんなことに気をとられているうちに、恋のチャンスを逃しちゃう子も……。
そんなシーンを想像して、その小さなサプライズに感動したのです。
先にも、(わたしの記憶では)「UG UTSUNOMIYA corporationグループの飲食店が、こういったサービスの走りだった」と書きましたが、同社のエンターテイメントレストランは、そのエンターテイメント性、インパクトの強さだけではなく、料理もおいしいですし、加えて、こういった女性のお手洗いへのサービスなどにも余念がないのですね。
わたしは、このお手洗いの小さなサプライズにはじめて出合ったとき、先のように、きっといま、このお店のお客さんのなかにもいるであろう、デート中のオンナノコのことを想像して、感動しました。
そして、決めました。
「またこのお店にこよう」と。
自分の店がどんな客層に利用されるかを考え、店内の客のひとつひとつのシーンを想像することから、このような細やかなところへの配慮が生まれ、発想が生まれるのだと思います。
そして、「小さなサプライズ」「小さな感動」は、かならずリピーターや口コミなどによって、店側に大きな利潤となってリターンしてくるものなのです。
【関連記事】
「最近おいしかった」
「恋に落ちる空間 「ル・アラダン」」
【関連リンク】
宇都宮俊晴社長の「個人商店(自己完結)主義」にご興味のある方は、「宇都宮の法則」をお読みになられてみては?
http://www.ug-gu.co.jp/company/company-project.html
【関連書籍】
宇都宮俊晴社長のご著書です。
* 大川内 麻里のサイト OkawauhiMari.net *
* http://okawauchimari.net/ *
* 大川内 麻里が取締役を務める 創藝舎 *
* http://sougeisha.com/ *
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