いまどんな本が、どのような出版社から出ていて、どのような版型や形態で、どんな読者層に買われているのか。
これは、出版社に、あなたの出したい本の企画や原稿を持ち込む際にも、重要な参考点になるでしょうから、具体的に、どこで調べればよいのか、簡単な方法をご紹介いたします。
意外や意外、インターネットで簡単に調べることができるのです。
そのWEBサイトはどこのなのかと、それぞれの特徴をお話ししますね。
自分の本を出したいあなたへ、具体的かつ実践的なノウハウをお教えします! メリット・デメリット、そして、それらを踏まえた上での活用法です。
●紀伊國屋書店BookWeb 週間ベストセラー
☆特徴:
紀伊国屋書店の週ごとの売れた本のランキングです。
『単行本』『文庫本』『新書』『洋書』『DVD』とわかれています。
読者層は、「本を買う、もっとも一般的な層」であると考えればいいでしょう。
☆メリット:
このWEBサイトとは別のシステムで、出版社では、紀伊国屋書店での実売部数を、簡単にデータを入手することができるようになっています。
そして、各出版社ごとに、実績に基づいて、紀伊国屋書店での実売部数×何倍が、自社の刊行物、あるいは他社の刊行物の類書を自社が刊行した場合が、おおむね全書店(紀伊国屋書店以外の書店も含む)において、どれくらい売れているか、その目安となる基準値をもっています。
ですから、(もちろん、全国書店における正確な実売部数は、自社が知ることのできるようにはなっていますが)さくっと目安として調べたいときに、出版社でも、紀伊国屋書店での実売部数を参考とするのです。
ということは、あなたが、「本を買う、もっとも一般的な層」に読まれている本の傾向であり、かつ出版社も参考にしているデータを、知ることができるサイトであるといえるのです。
☆デメリット:
大型書店でありながら、分類が『単行本』『文庫本』『新書』『洋書』『DVD』と大雑把(?)なので、ランクインしてくる本が、非常に激戦状態になります。
☆メリット・デメリットを考察した上での活用法:
出版社に企画や原稿を持ち込む際、「本を買う、もっとも一般的な層」への訴求点を打ち出し、PRすることに利用するといいでしょう。
●八重洲ブックセンター ベストセラー
☆特徴:
八重洲ブックセンターの週ごとの売れた本のランキングです。
階ごとにわかれており、どんな本がどのコーナーに置かれているのかを知ることができます。
読者層は、「本を買う、一般的な層」ではありますが、中心となるのは、ビジネスパーソンであると考えればいいでしょう。
☆メリット:
刊行物が、どのコーナーに置かれるか。これは、実は、本の売れ行きを大きく左右する、重大なこと。
たとえば、ビジネス書に強いなどといった、特性のある大手出版社や、「出版社○○の○○シリーズ」といったものをもっている出版社は、書店における書棚の占有率が大きく、また固定された書棚をもっているので、自社の本が、書店において、どこに置かれるかが、あらかじめ予測できます。
しかし、そうではない出版社や刊行物の場合、それが予測しにくい。出版社は、書店で、自社の刊行物が置かれている様子まで想像して、本を出さなければなりません。なぜなら、繰り返しになりますが、それが売れ行きを左右するからです。
☆デメリット:
メリットの逆説になりますが、どこにどんな本が置かれているのかが探しにくい!
☆メリット・デメリットを考察した上での活用法:
まず、前階をちらほら見ながら、どのコーナーにどんな本が置かれているかを観察しましょう。そして、そのコーナーに足を運ぶ読者層を、より具体的にイメージしてみましょう。
そして、出版社に企画や原稿を持ち込む際、こと書棚の占有率が大きくないと思われる出版社の場合に、「これは、こういったコーナーに置かれるであろう」という予測を立てること。その予測に基づいた企画や原稿は、より受け入れられやすいわけですから。
ただし、どこの書店でもおなじことがいえますが、よほどのものでない限り、『話題の本』のコーナーは、当然ながら激戦区なわけですから、そこに自分の企画したものや書いた原稿が、本になって置かれることには期待しないことです。注意しましょう。
●Yahoo!ニュース ランキング 書籍
☆特徴:
『指定なし』『コミックス』『新書・ノベルス』『新書・ノンフィクション』『単行本・ノンフィクション他』『単行本・ビジネス』『単行本・文芸』と、比較的、細かく分類されています。
☆メリット:
出版取次会社である日版のデータに基づいているので、出版社勤務でない、一般のひとたちが知りうる、全国書店における実売部数として、もっとも信憑性があるといえるでしょう。
また、分類も『指定なし』『コミックス』『新書・ノベルス』『新書・ノンフィクション』『単行本・ノンフィクション他』『単行本・ビジネス』『単行本・文芸』と細かくわかれているので、より具体的に売れ筋をつかむことができます。
☆デメリット:
先述したような、書棚をもっていない出版社の場合、また初版部数がすくない場合、基本的に、大型書店にしか、本は出回りません。それは、出版社の書店営業力にも左右されるわけですが。
また、タイトルや装丁のイメージで、書店側の判断によって、場違いなコーナーに置かれてしまったり、そればかりか、中身を見ずに返本されてしまうことすらあります。特に、大型書店の場合ですね。そりゃあ、月に膨大な量の本が入荷されてくるわけですから、そうでもしていかないと、書店としては回転率の問題に関わってくるわけですから、仕方のない、当然のことですよね。
ここには、二つのアンチノミーが存在していて、ひとつは、小型書店でも注文があれば、書店は勘違い(笑)を起こして、その本を入荷してくれる可能性があること。出版社も、小型書店であっても、さまざまな要因から、「ここに入荷してもらえれば売れるはず」と見込んだ書店には、積極的に営業をかけます。
初版部数がすくない場合というのは、出版社側にとって、まず返本率を抑えることで、売れなかった場合の損害を最小限に食い止めることを目的としています。慎重に様子見をしているのです。もちろん、売れれば、増刷により、飛躍的に刷り部数は伸びます。
一方、初版部数がすくないと、大型書店にしか置かれない、また平積みにならないことから、読者の目に留まりにくく、販売戦略上の工夫などがなければ、実売部数が伸びにくいという点もあります。
☆メリット・デメリットを考察した上での活用法:
企画や原稿を持ち込む際の出版社選びのひとつの基準として利用しましょう。また、自分の企画や原稿のジャンルや特性を見直し、『指定なし』『コミックス』『新書・ノベルス』『新書・ノンフィクション』『単行本・ノンフィクション他』『単行本・ビジネス』『単行本・文芸』の分類のなかから、それぞれの売れ筋の傾向と、売れる理由を考察してみましょう。その上で、また自分の企画や原稿を再考してみるといいでしょう。
それから、これは、ちょっと注意しつつ見てほしいのですが、メリットもあるので、ご紹介します。
○Amazon ベストセラー(本)
☆特徴:
言わずと知れた、ネット書店の最大手。
読者層は「“インターネットで本(モノ)を買う”という発想がある層」と考えてください。
☆メリット:
出版社によっては、あるいは刊行物によっては、販売戦略のひとつとして、最初から、Amazon狙いで本を出すこともあります。
その対象となるのは、ずばり書店で買いづらい本。要は、書店で、レジにもっていって、店員さんと対面して買うのは、ちょっと恥ずかしいとか、抵抗があるなどといった本というのがありますよね。タイトルにせよ、中身にせよ。
そして、これも販売戦略のひとつなのですが、Amazon狙いの場合、1,500円以上の定価をつける。理由はシンプル。配送量が無料になるからです。
1,500円以上の定価をつけるには、読者にとって、それだけの価値がある本であることが自明の理。よって、もちろん中身を問われますし、販売戦略として、上製本(ハードカバー)にしたり、紙を厚めのものにして、ツカ(本の厚み)を出すことによって、お得感を出すといった工夫がなされます。
☆デメリット:
「“インターネットで本(モノ)を買う”という発想がある層」というのは限られています。想像してみましょう。たとえば、どうしても立ち読みで中身を見てみないと買う気になれないひとは、まずネットで本なんて買いませんよね。
よって、一般書店での売れ行きとAmazonの売れ行きとでは、まったく違った動きをします。
☆メリット・デメリットを考察した上での活用法:
「“インターネットで本(モノ)を買う”という発想がある層」というのは、具体的にどんな層かを想像してみましょう。
また、インターネットで売れる本というのは、基本的に、「口コミで売れる本」と考えてください。そして、勝負は「タイトル」です。
Amazonも、立ち読み感覚を取り入れようと、『なか見!検索』という仕組みを取り入れましたが、それでも、やはり、書店での立ち読みで把握できる情報量には劣るもの。
そういったことを踏まえた上で、企画や原稿を再考してみましょう。
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