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出版社への企画や原稿の持ち込み(1)――企画や原稿を持ち込まれたとき、編集者はどうあるべきか

企画や原稿を持ち込まれたとき。
しかし、自社での出版は難しいというとき。
編集者は、どうあるべきでしょうか。

わたしは、出版社勤務の編集者であったころ、よく持ち込みをいただいていました。

どんなに企画として成立していないものでも、見込み部数や自社のカラーなどから考えて、自社での刊行は難しい場合でも、わたしは、まずは、即「ありがとうございます」と、お持込いただいたお礼をお伝えしていました。目を通すまでに時間がかかる場合には、いつごろ返事をするかを伝え、できるだけ早急に見るようにしていました。

そして、版元編集者の目から見て、この企画のどの部分をどうすれば、よりよい企画にブラッシュアップできるか、感じたことは、かならず、アドバイスしていました。
心当たりがあれば、ほかの版元さんへの紹介もしていました。

結果、わたしのところには、企画や原稿の持ち込み、フリーランスの方の営業が絶えませんでした。(噂で広まったんですね、「話を聞いてくれる編集者」だと)

そして、そういった方々は、版元編集者ではなくなったいまでも、わたしに力を貸してくださいます。

だれかの出版記念パーティーなどにいくと、かならず「お会いしてみたかったんです!」と飛んできてくださる方がいらっしゃるのです。

だから、「企画をください」と、だれかにいわなければならない版元編集者のことがわからない。フリーランスの方など、人脈のない編集者のことがわからない。

それは、「企画をください」と、だれかにいわなければもらえないような対応しかしてこなかったから以外のなにものでもないのではないでしょうか。

自分が、出版社勤務を離れてみて、はじめて、「ありがとう」がいえない編集者が、あまりにも多すぎることに気付きました。

「企画頂戴頂戴」しておきながら、いざ送ってみれば「ありがとう」の一言すらない。なーんの音沙汰もない。

わたしは、版元編集者時代に、どんな企画や原稿に対しても、誠心誠意、前述のような対応をしてきて、自然と企画や原稿、ひとが集まってきているのがあたりまえでしたし、おなじ企画書を別の出版社に送ってみれば、否、もっと稚拙な企画書であったとしても、わたしがかつてやっていたように、まず「ありがとうございます」といってくださり、誠意をもって対応をしてくださる版元編集者さんはいます。

そういう誠意を忘れてしまってはいけないでしょう。
編集者としても、人間としても。

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コメント

素晴らしいですねっ! :-)

ひとつひとつ丁寧に仕事をこなしていれば、成功は後からついてくるものですよね。私も先達からそのように言われていますので、そういう気持ちでクライアントと接しています。:-)

投稿: omori | 2006/03/27 23:28

>omoriさん
どーも、ご無沙汰しちゃっていてすみません。

なんか、こういう「ありがとう」の一言すらいえないひとたちって、即物的なんですよね、わたしから見ると。すぐお金になる企画、すぐお金になる原稿。自分の利益しか見ていない。長い目で物事を見ることができない。

そんなの編集者じゃない……とすら思ってしまいます。

わたしが持ちこみ企画・原稿に目を通して、自社では刊行が無理だとしても、それをブラッシュアップしようとする――その時間は、自分の金銭的な利益になるわけではないけれど、金銭的な対価だけを求めるのであれば、それは「仕事」ではなく「作業」だと思っています。仕事をする価値って、金銭的な対価だけではありませんよね。

どんな企画・原稿にも、そのひとは、時間をかけて考えてくれたのだから、それは、こちらも誠意をもって対応するのが、至極当然のことなんですけれどね。

残念ながら、少数派みたいです、そういう編集者って……。

投稿: 大川内 麻里 | 2006/03/28 05:53

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